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読書習慣が学力に与える影響とは?


文部科学省の全国調査から読み解く

読書は子どもの成長にとって重要な要素であると広く認識されていますが、実際に学力とどのような関係があるのでしょうか。文部科学省が実施した「全国学力・学習状況調査」の分析結果から、読書習慣と学力の関連性について明らかになっています。


調査概要

文部科学省は、平成21年度に全国の小中学生を対象に「全国学力・学習状況調査」を実施しました。この調査では、学力テストの結果とともに、児童生徒の読書活動や学習習慣についての質問紙調査も行われました。その結果は、「読書活動と学力・学習状況調査の関係に関する調査研究報告書」としてまとめられています。


読書時間と学力の関係

調査結果によると、平日に読書をする時間が長い児童生徒ほど、国語や算数・数学の学力テストの正答率が高い傾向が見られました。特に、1日30分以上読書をする児童生徒は、ほとんど読書をしない児童生徒に比べて、国語の記述式問題での正答率が高くなる傾向がありました。

また、読書時間が長い児童生徒は、無解答率(問題に全く答えない割合)が低いことも明らかになりました。これは、読書習慣が思考力や表現力の向上に寄与している可能性を示唆しています。


学校図書館の活用と学力

学校図書館の利用頻度と学力にも関連が見られました。学校図書館を週に1回以上利用する児童生徒は、国語や算数・数学の学力テストでの正答率が高い傾向がありました。また、学校図書館に司書教諭や学校司書が配置されている学校では、児童生徒の読書活動が活発であり、学力向上にもつながっていることが示されています。


読書活動の質と学力

読書活動の質も学力に影響を与える要因となっています。例えば、読書が好きであると回答した児童生徒は、国語の学力テストでの正答率が高い傾向がありました。また、読書を通じて得た知識や情報を活用して、自分の考えをまとめたり、表現したりする力が養われていることが、学力向上に寄与していると考えられます。


家庭での読書環境の整備

家庭での読書環境も、子どもの読書習慣や学力に影響を与える重要な要素です。家庭に本が多くある、親が読書をしている、子どもと一緒に本を読む時間を持つなどの環境が、子どもの読書習慣の形成に寄与しています。また、家庭での読書活動が活発な児童生徒は、学力テストでの正答率が高い傾向が見られました。

文部科学省の調査結果から、読書習慣が子どもの学力向上に寄与していることが明らかになりました。特に、読書時間の長さ、学校図書館の活用、読書活動の質、家庭での読書環境などが、学力と密接に関連しています。これらの要素を踏まえて、学校や家庭での読書活動の推進が、子どもの学力向上につながると考えられます。

これを期に子どもと一緒に読書をする時間を設けるようにしてみてはいかがでしょうか。


参考文献:

  • 文部科学省「読書活動と学力・学習状況調査の関係に関する調査研究報告書」

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/045/shiryo/attach/__icsFiles/afieldfile/2011/03/02/1302195_01.pdf?

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個別指導LOGIQUE 戸高 一穂

国語・物理専門個別指導LOGIQUE 代表指導科目は小・中学生全科目、高校生は現代文・古文・漢文・物理。上受験指導をする中で国語の重要性を強く感じ、平成27年 (2015年)4月「受験国語・物理専門個別指導LOGIQUE」を自宅で開業。2020年から全国に国語指導のできる塾講師を育てるためにパートナー募集を開始。2025年現在東京世田谷、渋谷、三鷹、名古屋、新潟などに10塾以上と提携。国語指導の専門家として国語の指導法を全国に広める活動を継続中。また、起業家支援のためのプラットフォーム「ドリームゲート」にて学習塾経営の専門家としてアドバイスをしている。

  1. 読書習慣が学力に与える影響とは?

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