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第1回:大分の公立高校入試はこう変わる①|「第3志望」まで出せる複数校志願制度を保護者向けに解説

訂正・追記のお知らせ(2026年7月9日)

本記事は公開後、大分県教育委員会が公表した「令和9年度大分県立高等学校入学者選抜の主な日程」にもとづき、内容の一部を訂正・追記しました。主な変更点は次のとおりです。

  • 【訂正】令和9年度入試の第2・第3志望の流れについて、当初は「第1・第2志望のいずれも不合格だった場合に第3志望へ出願する」と記載していました。正しくは、第1志望に加えて第2・第3志望をあらかじめ出願し、一度の学力検査(3月3日・4日)の結果で第1〜第3志望の合否をまとめて判定、3月12日に一括で合格発表を行う流れです。お詫びして訂正します。
  • 【追記】令和9年度入試から、志望順位とは別の新制度として「自己推薦型入学者選抜」が導入される点を追記しました(詳細は第3回で解説します)。
  • 【追記】出典に、令和9年度入試の公式日程ページを追加しました。

「第3志望まで出せる」って、どういうこと?

お子さんの進路を考え始めた保護者の方から、最近こんな声をよく聞きます。「大分の公立高校入試、第3志望まで出せるようになるって本当?」「制度が変わるみたいだけど、何がどう変わるのかよくわからない」。

結論から言えば、本当です。ただ、ニュースや塾の説明で名前は聞いても、仕組みが入り組んでいて、結局わが子にどう関係するのかが見えにくい——。それも無理はありません。今回の変更は、大分県の公立高校入試の「落ちたあと」の流れを、根本から作り替えるものだからです。

この特集では全3回にわたって、新しい入試制度を保護者の目線でかみくだいて解説します。第1回は「そもそも、なぜ・どう変わったのか」という全体像から見ていきましょう。

これまでは「落ちてから、もう一度受け直す」だった

新しさを理解するには、これまでの仕組みを思い出すのが近道です。

以前の大分県の公立入試では、第一次選抜(いわゆる一次入試)で不合格になった生徒のために「第二次選抜(2次入試)」が用意されていました。ただしこれは、一次で落ちた生徒が、改めて別の高校で“もう一度”試験を受け直す仕組みでした。

15歳の子どもにとって、一度不合格を経験したあとに気持ちを立て直し、別の高校でまた試験に臨むのは、決して小さくない負担です。保護者にとっても、追加の手続きや送り迎えなど、心身ともに慌ただしい時期が続きました。「落ちたら、また一からやり直し」——これが、これまでの入試の現実でした。

新制度=「複数校志願制度」。一度の試験で、複数の高校に望みをつなぐ

今回導入されたのが「複数校志願制度」です。少し堅い名前ですが、保護者の方に押さえていただきたいのは、たった一つのポイントです。

もう一度試験を受け直さなくても、一度の学力検査の結果で、第2・第3の志望校に望みをつなげる。

使われるのは、すでに受けた一次入試(学力検査)の点数と調査書(内申点)です。志望校ごとに新しい試験を受け直す必要はありません。「受け直し」から「同じ結果での持ち越し」へ。ここが、今回の改革のいちばんの肝です。

変更は2段階で進む——令和8年度に「第2志望」、令和9年度に「第3志望」まで

もう一つ、混乱しやすいのが「いつ・どこまで」の部分です。今回の変更は、一度にすべてが始まったわけではなく、2段階で進みます。

【第1段階】令和8年度入試(2026年・実施済み)

これまでの2次入試を廃止し、複数校志願制度の「第2志望」がスタートしました。第1志望の合格発表のあと、欠員のある高校・学科へ第2志望として出願できるようになっています。この春はこの新しい仕組みで入試が行われ、第2志望を活用して公立高校に進んだ生徒もいました。

【第2段階】令和9年度入試(2027年・いまの中学2年生が対象)

複数校志願制度がさらに広がり、いよいよ「第3志望」まで出願できるようになります。大分県教育委員会が公表した令和9年度入試の日程では、第1志望に加えて第2・第3志望をあらかじめ出願でき、一度の学力検査(3月3日・4日)の結果をもとに、第1・第2・第3志望の合否がまとめて判定されます。合格発表も3月12日に一括で行われる予定です。

これで、「第1志望が届かなくても、あらかじめ選んでおいた第2・第3志望に、同じ試験の結果で望みをつなげる」形が完成します。

なお令和9年度は、これとは別に推薦入試の枠組みも見直され、中学校長の推薦を必要としない「自己推薦型入学者選抜」が新しく設けられます。こちらは志望順位の話ではなく、いわば別ルートの新制度です。詳しくは第3回であらためて取り上げます。

なぜ、ここまで変えたのか

「そもそも、なぜここまで大きく変えるの?」と疑問に思われるかもしれません。背景には、大きく2つの事情があります。

一つは、受験生の心理的・経済的な負担を減らすこと。先に触れたとおり、「落ちてから受け直す」仕組みは、15歳の子どもにとって精神的な打撃が大きいものでした。一度の試験結果で複数の志望校を判定する形に変えることで、「一度のチャレンジで、公立に入れる可能性を最大限に広げる」ことがねらいです。

もう一つは、地域の高校を守ること。大分県では少子化の影響で、一部の地域の高校で定員割れ(欠員)が起きやすくなっています。志望できる範囲を第2・第3志望へと広げることで、生徒と学校をより柔軟に結びつけ、特色ある地域の学校を次の世代へ残していく——そうした県全体の狙いも込められています。

この制度は、もともと県の「通学区域制度検証委員会」の答申を踏まえて検討されてきたものです。大分の入試は、「点数で生徒を選別する場」から、「生徒と学校を柔軟に結びつける場」へと、その性格を変えつつあると言えるでしょう。

まとめ——「落ちたら終わり」ではなくなった

第1回の要点を整理します。

  • これまでは「一次で落ちたら、別の高校で受け直し」だった
  • 新しい「複数校志願制度」では、一度の学力検査の結果で第2・第3志望に望みをつなげる(受け直し不要)
  • 令和8年度に「第2志望」、令和9年度に「第3志望」まで、2段階で拡大される
  • 令和9年度は、別ルートの「自己推薦型入学者選抜」も新設される
  • ねらいは「受験生の負担軽減」と「地域の高校を守ること」

「落ちたら終わり」ではなく、「一度の挑戦で、いくつもの可能性をつなぐ」入試へ。これが、今回の改革の全体像です。

ただし、ここで一つだけ先にお伝えしておきたい“落とし穴”があります。実は、この第2・第3志望、「どの高校にでも自由に出せる」わけではありません。特に普通科には、お住まいの地域によって出願できる高校が決まるというルールがあるのです。

次回【しくみ編】では、出願から合格発表までの流れと、この「普通科の地域ルール」を、表を使ってわかりやすく解説します。わが子がどの高校を第2・第3志望に書けるのか——いちばん気になる部分に踏み込んでいきます。


出典・参考

※日程・制度の詳細は変更される場合があります。出願前には必ず大分県教育委員会の最新の発表をご確認ください。

ふるさと納税するなら、ふるなび。

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