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教育とお金の話

【教育とお金】お金の価値を伝える家庭教育の重要性

子どもにお金の価値をどう伝えるか

近年、「金融教育」「お金の教育」という言葉が注目を集めています。
しかし、実際には「子どもにどうお金の大切さを教えればいいのかわからない」という親御さんも多いのではないでしょうか?

学校での金融教育は少しずつ始まりつつあるものの、本質的なお金の価値観は家庭での接し方が最も影響力を持つとされています。

ここでは、幼少期から実践できる「お金の価値を伝える家庭教育」の方法を具体的にご紹介します。


子どもにとって“お金”は最初「道具」でしかない

子どもが初めてお金に触れるのは、おそらくお小遣いをもらったときでしょう。
しかしその段階では、お金は「好きな物と交換できる便利なチケット」という程度の認識であり、その背景にある“価値”や“対価”までは理解していません。

だからこそ、お金の教育は「金額」ではなく、「使い方」「考え方」「目的」の3本柱で育てていく必要があります。


お金の価値を伝える3つの柱

① 「お金は働くことで得られるもの」という実感

まず伝えるべきは、「お金=限られた資源であり、努力の対価である」という基本です。

たとえば…

  • 家のお手伝いをしたら100円を渡す
  • 家族で仕事について話す(親がどうやってお金を得ているか)
  • バイト体験・職場見学などで“働く=価値を生む”を感じさせる

こうした実体験を通じて、「お金は簡単には得られない」という感覚を育むことができます。


② 「選ぶこと」のトレーニング

子どもにお金を使わせるときは、「全部買わせない」のがポイントです。

  • 欲しいものが複数あるときに「どれを選ぶか」考えさせる
  • 月のおこづかいで“やりくり”させてみる
  • 大きなものを買うなら“貯めてから買う”経験を積ませる

これにより、「欲望に流されず選ぶ」「我慢して貯める」能力が育ちます。これは将来、住宅ローンや投資判断など人生のお金の意思決定にもつながります。


③「お金には使い道がある」ことを可視化する

お金は「使う」「貯める」「増やす」「寄付する」など、様々な活用法があります。

たとえば、こんな工夫がおすすめです:

  • おこづかい用の封筒を「つかう用」「ためる用」「よやくする用」に分ける
  • 寄付やクラウドファンディングなど、社会にお金を“使う”体験をする
  • 家族で“お金の使い道会議”を開いて意見を聞く

お金に「意味」を持たせることで、単なる買い物道具から“選択のツール”へと進化させることができます。


「教え込む」のではなく「一緒に考える」ことが大切

子どもにお金の知識を一方的に与えるのではなく、親も一緒に考えるスタンスを持つことが大切です。

  • 「これって買う価値あるかな?」
  • 「これを買うために何回分おこづかいを貯めないといけない?」
  • 「お金を使わずに楽しめることってあるかな?」

こんな問いかけを繰り返すことで、子どもは**“考える習慣”と“お金を扱う責任感”**を自然に身につけていきます。


お金を「タブー」にしない家庭環境が未来を変える

「お金の話は家庭ではNG」という空気は、かえって子どもを無防備にしてしまいます。
これからの時代は、金利・物価・税金・投資など、社会全体が“金融リテラシー”を求める方向に進んでいます。

家庭で自然にお金の話ができる雰囲気をつくり、日常の会話や体験を通して、自分の人生を自分で選ぶ力=お金の力を育てていきましょう。

小学生からできる家庭での金銭教育

「お金の教育は中学生や高校生になってからでもいい」と思っていませんか?
実は、金銭感覚の土台は小学生のうちにこそ形成されると言われています。

日常の買い物やお小遣いの管理など、子どもが「お金」と接する機会は想像以上に多くあります。だからこそ、学校任せではなく、家庭でできる金銭教育を日常に取り入れていくことがとても重要なのです。


なぜ小学生からの金銭教育が重要なのか?

  • 小学生は“価値あるもの”と“無駄なもの”の違いを判断し始める時期
  • 数字に親しみ始めることで、金額の感覚が育ちやすい
  • 習慣づけがしやすく、思春期のような反発も少ない

つまり、**知識が素直に吸収され、習慣化しやすい「教育のゴールデンタイム」**が小学生時代なのです。


小学生向け金銭教育:3つのステップ

ステップ① お小遣い制度を作る

まずは「お金の管理」を経験させることが基本です。

  • 月額 or 週額のお小遣いを決めて渡す
  • ルールを設ける(例:一度使ったら追加なし)
  • 使い道・目的の自由は本人に任せる

「自分で使えるお金を持つこと」は、選択・計画・失敗の体験に直結します。たとえ無駄遣いしたとしても、それは貴重な学びになります。


ステップ② 欲しいものは“計画して買う”

子どもが高価なおもちゃやゲームを欲しがったときは、すぐに買い与えるのではなく、

  • 必要なお金を算出する
  • お小遣いで貯める期間を決める
  • 状況に応じて「お手伝い報酬制」も取り入れる

これにより、「時間をかけて目標に向かう」ことの大切さを学ぶとともに、“今すぐ得られないこと”への耐性も育てられます。


ステップ③ 家族で「お金の話」を日常にする

  • 「この夕食、全部でいくらかかってると思う?」
  • 「500円あったら何に使う?」
  • 「テレビで見た広告、本当に必要なものかな?」

こうした日常会話を通じて、“お金=生活と密接に関係している”という実感を持たせることができます。

子どもは会話の中から、家庭の価値観や判断基準を無意識に吸収していきます。話題にするだけで、自然とお金に対するリテラシーが高まるのです。


成功する家庭の特徴:「見せる・任せる・考えさせる」

  • 見せる:実際に財布や家計簿を見せ、親のお金の使い方を共有
  • 任せる:予算を与えて自分で管理させる(例:遠足の昼食代など)
  • 考えさせる:「AとBどちらが得?」を一緒に考える習慣をつける

これにより、受け身ではなく能動的なお金の判断力が育ちます。


小学生向けのおすすめ教材やツール

  • 絵本:「おこづかいの使い方」「はじめての金銭教育」など
  • ボードゲーム:「人生ゲーム」「モノポリー」「キャッシュフローキッズ」
  • アプリ:「まねぶー」「おかねのまなびば」など、親子で学べる金融アプリ

ゲーム感覚やストーリーを通じて学ぶことで、子どもは楽しみながらお金の基本を理解できます。


「失敗して学ばせる」ことも金銭教育のうち

小学生のうちは失敗しても金銭的なダメージは小さく、リカバリーが容易です。
だからこそ、「無駄遣いしたからお小遣いは来月までナシ!」といった経験も、将来のリスク回避力を育てることにつながります。

子どもがお金を“経験値”として蓄えていけるよう、**安全な家庭内での「小さな経済活動」**を促していくことが、将来の自立へとつながるのです。

金融教育が進む最新の学校教育事情

これまで日本では「お金の話は家庭で」「学校では教えない」という風潮がありましたが、近年この常識が大きく変わりつつあります。
2022年度からは高等学校で「家庭科」や「公共」の授業内に金融リテラシーを育てる学習内容が盛り込まれ、全国的に金融教育が加速しています。

この章では、教育改革の背景や具体的な内容、そして家庭と連携してどのように子どものお金の理解を深めていくべきかを解説します。


■ なぜ今、金融教育が学校で必要とされているのか?

背景には、次のような社会的変化があります。

  • 人生100年時代:自助努力による資産形成が前提に
  • 公的年金の限界:老後2,000万円問題などで将来不安が拡大
  • デジタル社会の進展:キャッシュレス・ネットバンキングが一般化
  • 若年層の投資詐欺・借金トラブル増加

これらを踏まえ、早期から正しいお金の知識と判断力を育てることが不可欠とされるようになりました。


学校教育で導入されている金融教育の内容(小中高別)

小学校:お金の使い方や仕組みの基礎を学ぶ

  • お金はどこから来て、どこへ行くか(流通のしくみ)
  • おこづかい帳を使って「使う」「貯める」意識を持つ
  • 職業や労働の意味について学ぶ(社会科・道徳で)

中学校:働くこととお金の関係を深めて理解

  • 税金・社会保険・雇用の仕組みについて
  • 労働と所得・生活設計の関係
  • 消費者トラブルや悪徳商法に関する知識

高校:投資・金融商品の基礎も扱う本格的な金融教育

  • 銀行口座・保険・ローンなどの基礎
  • 株式・投資信託・NISA・iDeCoなどの制度理解
  • 家計管理シミュレーション(生涯収支、ライフプランニング)

特に家庭科や「公共(旧・現代社会)」の科目においては、模擬家計簿や資産運用ゲームを活用した実践的な授業も導入されています。


金融庁や日銀なども支援教材を提供

文部科学省だけでなく、以下のような公的機関が教材や動画を提供しています。

  • 金融広報中央委員会「知るぽると」:子ども向け冊子や教材
  • 日本銀行「にちぎんキッズ」:お金の歴史や仕組みを学べるサイト
  • 金融庁:中高生向け投資教育冊子や動画(NISA、資産形成の基本)

これらは無料で利用可能であり、学校だけでなく家庭学習でも活用できる優良なリソースです。


保護者ができる“学校と連携した金融教育”

① 授業で出た話題を家庭で深掘りする

たとえば「NISAって何?」という質問が出たら、一緒に証券会社のサイトを見て解説してあげるだけでも、知識が深まり親子の対話にもつながります

② お金に関する「体験の場」を用意する

  • お年玉やおこづかいの管理を任せる
  • 親子でふるさと納税の返礼品を選ぶ
  • 仮想通貨や為替などのニュースを一緒に見る

実生活とリンクさせることで、授業で学んだ知識が現実の感覚に結びつくのです。


金融教育のゴールは「判断力を育てる」こと

大切なのは、知識を詰め込むことではなく、「自分にとって必要なお金の使い方は何か?」「将来をどう計画するか?」と自ら考え、選び、行動する力を育てること。

そしてその土台は、やはり家庭での会話・実践・失敗の中で育まれるのです。この機会に子どもとお金の話をしてみるのも良いのではないでしょうか。

ふるさと納税するなら、ふるなび。

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