2025年3月28日、大分県教育委員会は「大分県特別支援教育推進プラン2025」を策定し、発表しました。このプランは、障がいのある子どもたちの自立や社会参加を支援し、共生社会の実現を目指すための具体的な方針と施策を示しています。本記事では、このプランの背景、基本方針、重点目標、具体的な取り組みについて詳しく解説します。
背景と目的
「大分県特別支援教育推進プラン2025」は、平成30年に策定された「第三次大分県特別支援教育推進計画」の成果と課題を踏まえ、令和7年度から15年度までの9年間を対象とした新たな計画です。このプランは、「大分県長期総合計画」や「大分県長期教育計画」と連携し、障がいのある子どもたちが一人ひとりの教育的ニーズに応じた学びを保障され、共に学び支え合う共生社会の実現を目指しています。
基本方針
プランの基本方針は、「障がいのある子どもの自立や社会参加に向け、一人一人の教育的ニーズに応じた学びを保障し、共に学び支え合う共生社会へつなげるためのインクルーシブ教育システムの実現をめざす」ことです。この方針のもと、以下の2つの重点目標が設定されています。
重点目標
1. 一人一人の教育的ニーズに応じた指導・支援の充実
障がいのある子どもたちが、その特性やニーズに応じた適切な指導や支援を受けられるよう、教育体制の整備と教職員の専門性向上を図ります。
2. 障がいの有無にかかわらず、多様な学びを保障する環境の整備
すべての子どもたちが共に学び合い、互いに理解し支え合う環境を整備することで、共生社会の実現を目指します。
具体的な取り組み
通級による指導の充実
通常の学級に在籍する特別な支援が必要な児童生徒に対して、自校通級や巡回指導などの通級による指導を充実させます。これにより、個々のニーズに応じた柔軟な支援が可能となります。
校内支援体制の強化
特別支援教育コーディネーター等による校内支援体制を充実・強化し、「個別の教育支援計画」の作成を促進します。これにより、関係機関との連携を深め、一貫した支援が可能となります。
授業実践への支援
授業実践に対する指導・助言体制を強化し、「個別の指導計画」の質の向上を図ります。特別支援学校のセンター的機能を活用し、地域の学校への支援を行います。
一貫した教育的支援の確保
乳幼児期から学校卒業までを通じた一貫した教育的支援を確保し、就学や進路選択に関する保護者等への助言体制を強化します。関係機関との連携を深め、切れ目のない支援を提供します。
特別支援学校の充実
特別支援学校においては、カリキュラム・マネジメントの充実・強化を図り、ICT機器や教材、支援機器の効果的活用を促進します。また、ジョブ・コンダクターの活用や福祉・労働等関係機関との連携による就労支援の充実・強化を行います。
管理職の意識向上
管理職の特別支援教育への意識向上に向けた専門的な研修を充実させます。これにより、学校全体での特別支援教育の推進が期待されます。
インクルーシブな学校運営モデルの検討
特別支援学校と他校種を一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルの検討を進めます。これにより、障がいの有無にかかわらず、共に学ぶことができる環境の整備を目指します。
今後の展望
「大分県特別支援教育推進プラン2025」は、障がいのある子どもたちが自立し、社会に参加できるよう支援するための具体的な施策を示しています。今後は、このプランに基づき、教育現場での実践が進められ、共生社会の実現に向けた取り組みがさらに強化されることが期待されます。
大分県特別支援教育推進プラン2025
https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2233805.pdf
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